お葬式にはたくさんの迷信、言い伝えがあります。
いまでこそ常識となっている弔事マナーも迷信をベースにして
彼から作られたものが多いようです。
古くから伝わる迷信にはどのようなものがあるのでしょう。
今回はそんな迷信や言い伝えについてご紹介いたします。
友引にお葬式をあげることはできないという言い伝えがあります。
仏滅や友引は、明治初期は物滅(物をなくさないように気を付ける日)、
共引(引き分けの日)の字がつかわれていたそうです。
実は仏教、神道をはじめ宗教とは一切関係はありません。
友引にお葬式をすると「死者がさみしがり友を連れていってしまう」
という言い伝えがありますが、迷信にすぎません。
ただ、現実には火葬場がお休みの地域があったり、
お寺でも友引はお葬式をしないのがほとんどです。
しかし、浄土真宗の教えでは、迷信を拠り所としない宗派なので
友引の日に葬儀をしてもさしつかえないとされております。
ゲン担ぎとして今でも六曜は冠婚葬祭で用いられることも事実なので
「お祝いごとはいい日を選びたい」という気持ちも大事にしたいと思います。
出棺の時に「死者の茶碗を割る」という習慣は、
「ご飯を食べにもどってこないように」棺に釘をうつのは
「こちらへ戻ることなく、三途の川を無事にわたれるように」という言い伝えから。
「死者が戻ってきたらどうしよう」という不安、
そして「死者が迷わずあの世へ行けるように・・・」
という意味を含んだ迷信は他にもあるようです。
妊婦が葬儀に参列すると、故人が赤ちゃんを連れて行ってしまう・・・
とか、子供に災難がふりかかるなどの言い伝えがありますが、
これは妊婦に対する配慮からきたと考えられます。
昔の葬儀といえば、女性は裏方として炊事などをこなさなければならず、
大変な苦労があったことでしょう。
妊婦だと当然母体に負担がかかっていたと思われますので、
まわりの人の気遣いからこのような迷信が伝えられたのかもしれません。
しかし、現代の葬儀では、ほとんど葬儀社が手配してくれますので、
女性の負担は随分と軽くなってきています。
冷暖房、イス席もあるホールが多いですから、昔と違って負担を強いられることはありません。
着物を左前にあわせて着せるのは縁起が悪いとされています。
それは、死者に着せる着物は左前になるように着せます。
死後の世界は生きている世界と真逆の関係だと言われているためそのように着せます。
このように、死者に対して行うことは、普段の生活ではしてはいけないとされております。
例えば、人の箸から人の箸へ食べ物をつまんで渡すのは、
骨を拾う(箸渡し)を連想されるので縁起が悪いとされております。
元々は単なる迷信に過ぎなかったことでも今では、
基本的マナーとして一般常識とされております。
今回は、葬儀の迷信や言い伝えについて書かせていただきました。
昔ながらの、習慣は現代では簡素化になり残っていない習慣もあるようです。
昔の話などをきくと面白いので、後世にも残していきたいと思いました。
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