今、まさに秋のお彼岸の真最中ですが、彼岸って何だろう?何をする日?
仏壇にお供え物をしてお墓参りをしたりとか漠然とは
わかっているんだけど今一度、彼岸の意味やするべき事をおさらいしてみたいと思います。
この『彼岸』ということばはインドの古語・梵語(サンスクリット語)の
パーラミター(波羅蜜多)漢訳「到彼岸」の略とされています。
つまり、この世界(此岸)から、涅槃の世界(彼岸)にいたるという
意味らしいのですが、いまいちよくわからないので、分かりやすく言いますと
太陽が真東(誕生の意味)から出て真西(死の意味)に沈む彼岸の中日には先祖をしのび、
今生きている自分を育ててくれた先祖に感謝をし、自らも彼岸(向こう岸)に
到達できるよう信仰のお念仏を唱え精進するということのようです。
春分の日と秋分の日はお日様が出ている時間(この世)と夜の時間(あの世)が同じに
なることによりご先祖様と現世がいちばん近づくと考えたのかもしれません。
「この世と極楽浄土が通じやすい日」昔の人は良く考えたものです。
お彼岸の時期は3月の春彼岸と9月の秋彼岸。
それぞれ春分の日、秋分の日をはさんで前後三日間、計7日間とされています。
春分の日は太陽の動きに影響されるため日本では年によって3
月20日か21日のどちらかが春分になります。
春分は、季節が冬から春に切り替わる日とされ自然をたたえ、
土から草花や虫が顔を出し生物をいつくしむとされ、
秋分の時期は稲刈りの最盛期で稲穂の収穫を喜び、
ご先祖様に報告し感謝をすることが風習として根付いているようです。
前文に此岸から彼岸にいたると書いてありますが、それには六つの修業がございます。
「至彼岸」といわれる大乗仏教における悟りの境地に至るための『六波羅蜜』の修業。
- 見返りを求めず他人のために惜しみなく善行を施すこと
- 戒律を守り、身を慎み、他人に迷惑をかけないこと
- 身に起こる災いを受け入れ、耐え忍ぶこと
- 誠心誠意努力を続けること
- 常に静かな心を持ち、動揺しないこと
- 怒りや愚痴、よくばりに捉われず、物事の真理を正しく見極めること
普段なかなかできないこれを実践できれば、
こころ豊かに過ごせることができるかもしれません。
普段できない仏壇の掃除などしてみたら六波羅蜜の実践になるのではないでしょうか。
彼岸のお供え物といえば春彼岸の「ぼたもち」。
秋彼岸の「おはぎ」でしょう。
それぞれ季節の花「牡丹」と「萩」にちなみます。
同じ食べ物でも時節によって呼び方が変わるのも
四季に敏感な日本人の豊かな心の表れなのではと思います
Donchi