人は大事な人を失ったとき
誰にも会いたくありません。
何もしたくありませんし
一言も喋りたくありません。
ただ、ひたすらに泣いていたいのです。
でもそのまま数日が経過すればどうなるでしょうか。
残された人は、本当に人前に出られなくなってしまいます。
誰とも会えなくなってしまいます。
葬儀は、いかに悲しみのどん底にいようとも
その人を人前に連れ出します。
引きこもろうとする強い力を
さらに強い力で引っ張りだすのです。
葬儀の席では、参列者に挨拶をしたり、
お礼の言葉を述べなければなりません。
それが、残された人を「この世」に引き戻す
大きな力となっているのです。